木鶴人記

モッカクジンキ

主題:3DCADを用いた社寺建築の設計手法を再考する

1. 富士山本宮浅間大社

1-4.下層組物

組物の納まり

大正14年時の修理図面の矩計図を見ると、組物がかなり独特な納まりになっています。
柱(緑色)は大斗より上は半柱となっており大梁を直接支えています。したがって、小壁の組物は外半分しかなく荷重を担うことが出来ません。一手先となる丸桁(青色)をを支えるために、小壁と直行する枠肘木(赤色)の堂内側は半柱を貫いて内側の柱に取り付いています。北側(内陣側)には柱が無いので枠肘木を強引に曲げて大梁の下に取り付かせています。小径の内陣柱は枠肘木を挟んでいるように見えますが、天井裏等の構造部分の写真が全く無いので確認できません。

軒と小壁と堂内の断面

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隅の組物

組物の伏せ図も小屋裏の写真も無いので、以下は予測による考察となります。

隅の組物は正味の大きさの組物となるでしょう。隅行きの枠肘木の堂内側の納まりは不明ですが、堂内の柱に取り付く可能性が高いと思われます。

初重 隅の組物の納まり(想像)